コラム

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コラム

ひきこもり支援について~家族の役割と本人が乗り越えること~

これまでの臨床の中で多くの「ひきこもり」のクラアントと関わってきました。ひきこもりの高齢化が懸念されていますが、私の経験した事例は40歳の男性でしたが、一年もかからずにカウンセリング(毎週コラージュ療法施行)を通じて、会社に就職し正社員になられました。(日本コラージュ療法学会学会誌に発表済み)今回のケースでは、家族が連れてくることが問題解決の一歩となりました。その方の場合は、ご両親は既に高齢で本人を連れてくるエネルギーはありませんでしたが、たまたま帰省した兄弟に連れられて来室したのがきっかけとなりました。ひきこもりの方が一人で来るのは稀なことですが、本人が嫌がるようなら初回はご家族だけでも、カウンセリングルーム来ていただくことも解決の第一歩につながります。

  さて上記の男性クライアントは高校時代に友人の何気ない一言がきっかけで、人間関係がうまくいかなくなり、20年近く自宅にひきこもっていました。カウンセリングでは、コラージュ療法(詳しくはホームページをご覧ください)で作品を制作することを中心に面接を進め、傷ついた気持ちや、あきらめた気持ち、未来への希望等が次々と作品を通じて表現され、徐々に自分の弱さを受け入れることで可能になりました。弱い自分を受け入れ、現状と向かい合う強さが自分の望む未来へと導いていくものです。彼は、その後自分で就職先を見つけて正社員になることが出来ました。

  このコラージュ作品の表現によって自分と向き合うことが可能になるのは、他の事例においてもほとんどといってよいくらい認められます。何も考えずに筆者(セラピスト)が切り取ってある写真の切片を選んで貼っていく(コラージュ)だけの作業です。本人は何も語らなくても、コラージュ制作を通じて自分と戦い、現状と向き合えるようになる過程が見事に表現されます。

  ひきこもりの方は自分の気持ちを言語化するのが苦手な傾向にあります。弱音を吐けない真面目な人が多いのも特徴です。はじめの一歩は家族の働きかけです。当カウンセリングルームでは、家族のサポートをすることで、ひきこもりの方が自ら来室できるようにお手伝いを致します。

  これを読まれた今が問題解決のチャンスです。ご心配されているご家族はお問い合わせいただけると幸いです。人は必ず幸せになろうとし、自ら成長し自己実現に向かうと考えられるからです。

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