コラム

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コラム

大人の発達障害、上手くできないとあきらめる傾向への対処

大人の発達障害の方の中には「うまくできないことは回避(やめてしまう)」傾向がある人が多くいらっしゃるようです。ゼロか100かの発想になってしまい自分のルールにこだわり、少しでもできないと結局あきらめてしまうことが多いようです。

  Aさんは小学校、中学校、高校、大学と特に問題はなく、大学卒業後にある会社に就職しました。しかし、就職するとぱったりと会社に行かなくなってしまいました。家族に連れられてカウンセリングに来た時には、自分でも何が嫌で会社に行かないのか理由がわからないが、人と話すときに緊張してしまうことや自分のペースで仕事ができないことをお話されました。学生時代には趣味の合う一部の友人とし関わってこなかったことなども語られました。自分と性格の違う人や、よく知らない人と話をすることへの不安などもあったようです。このカウンセリングでは認知行動療法に基づいて、ご本人が緊張する場面を掘り下げ、そこにある緊張を助長させている気持ちを見つけることや相手との「コミュニケーションのやり方」(アサーション⇒上手い自己主張のスキル)などについて話し合い、少しづつ自分のことが客観的に見れるようになりました。やがてAさんの個性はそのまま継続しつつ、自分の気持ちや相手のニーズも把握できるようになり仕事復帰していきました。

  簡単に例を挙げましたが、発達障害の方へのカウンセリングというのは本人や周囲の人が困っていることを明確にし、対処の方法を個別に相談していきます。必要以上に自分を責めることは、問題の解決にはつながりません。ちなみに発達障害でなくても誰しもが苦手対処の工夫をしています。自分の不得意な特徴に焦点を当て過ぎず、自分を生かせる環境を見つけることで適応することが可能になります。自分はだめだと思わずに当カウンセリングルームにご相談ください。

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