心理検査っていったい何がわかるのでしょうか?
心理検査とは沢山の種類がありますが、知能検査とパーソナリティ検査(人格検査)が代表的な検査です。
知能検査とは知的な能力を調べているテストです。WAIS-ⅢやWISC-Ⅳ等がよく施行されます。最近では学校等教育現場で個別に支援するためにWISC‐Ⅳという知能検査をして個人内の能力の差等を調べて個人に沿った学習を提案しています。例えば、「落ち着かない子」で学習の効果が上がらない等の時にじっと座っているのが苦手なのか、それとも学習している内容が理解できず集中ができないのか、言葉能力が低い為に先生の指示がわからないのか等の情報を教えてくれます。但し、被験者が疲れていたり、やる気がなかったりすると結果にも影響することもあるので注意が必要です。
また、「段取りが悪い」「忘れものをする」等が多いと「自分が悪い」「だらしない」と思いがちになります。しかし実は苦手なことだったのかもしれません。苦手なことなら工夫をするという発想につながっていきます。例えば「走るのが遅い」ということは「自分が悪い」とは誰もが思わないですね。生まれ持った能力の一つと考えるでしょう。もし「走るのが早くなりたい」と思えば、フォームを工夫したり筋トレをするでしょう。それと同じです。(段取りは先を見通す能力や短期に記憶をする能力に関係している可能性があります。詳しくは個々の検査結果によりますが…)
パーソナリティテストとは様々な方法(投影法や質問紙法)で個人の性格等の傾向を調べるものです。この検査の目的は困っていることの背景となっている性格や行動の特徴などを明らかにしてカウンセリング等の治療に役立てる為に施行します。もし被験者と10年程一緒に生活をしたらその人となりや性格傾向や行動パターンはわかってくると思います。心理テストは短時間で被験者の様子を浮かび上がらせることができます。但し一つの心理検査は一面しか見れないために心理テストを何個か組み合わせて被験者のパーソナリティをプロフィールしていくのが通常のやり方です。それをテスト・バッテリーを組むといいます。
要はどの心理テストもレッテルを貼るためではなく被検者の為になることが第一です。特にロールシャッハ・テスト等の投影法は被験者ご自身が気づかないような傾向を示唆してくれます。
メタ認知(自分のことを客観的に見る)は自分が上手く生きていくことを助けることにつながっていきます。心理テストをうまく利用することでカウンセリング効果を上げることになると思われます。